ノッキング防止のための高オクタン価とより高吸気温度域に適応した気化特性が求められるのがターボエンジン用のガソリンだとは、前回に書きました。

一方、自然吸気エンジンに適したガソリンを突き詰めていくと、1.燃焼速度が高いこと。2.ターボエンジン用ガソリンと比較してより低い温度域に適応した気化特性、以上が必要になります。

速い燃焼速度は、エンジンの高回転化を可能とし、結果として高出力を引き出せます。ただ燃焼速度の追求は高オクタン価の達成とは相対関係にあるため、オクタン価は総じて低めになります。

吸入される空気にきれいにガソリンが混ざるのは、良い燃焼を導き出す第一歩ということで、気化特性も重要になるのは想像の通りです。高出力を引き出すためには、シリンダー内にできるだけ多くのガソリンと空気を送り込むことがポイントとなりますが、この気化特性も、この充填効率に大きく影響することが良く知られています。ガソリンがインジェクションから噴き出されて気化する際に空気中から多くの熱を奪い・・・つまり空気を冷やす・・・空気の密度を高め、より多くのガソリンと空気を送り込むことを可能としているのです。最近の自然吸気レーシングエンジンが一昔前と比べて、格段のパワーアップをはかれた理由のひとつには、このようなガソリンの働きを上手に利用しているという背景もあるのです。

最高峰のモータースポーツ、F-1のために開発されたガソリンは、燃焼速度を高め、吸気温度にあった気化特性を持たせ、より多くのパワーを引き出すよう設計されています。オクタン価はそれほど重要ではなく、市販のレギュラーガソリン並みのケースさえあるのが本当のところです。


日本クラシックカー会報誌「オイル・色々ばなし−14」より


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